思いが伝わる?布を使った喪中はがきのデザイン




2018年、始まりましたね。
当ブログ class,design. はまだぼんやりとしか動き出していませんが、今年初めてお会いする方にはワクワクを感じてもらえるように、昨年来てくださった方にはその期待に応えられるように実用的でおしゃれなデザインを発信していきます。今年もよろしくお願いしますね。

gene graphic のデザインをご紹介

さて2018年最初の投稿ですが、今回は趣向を変えて私たち gene graphic が先日作ったデザインをご紹介します。昨年は無料テンプレートハウツー記事の記事が中心だったので、ちょっと息抜き。たまにはこんな内容もありかなと思いました。
新たにBlogというカテゴリを作ったので、今後私たちが作ったものはそこにアップしていきます。クライアント様への納品物は見せられないこともあるので身内のデザインが中心になりますがぜひご覧ください。

ありきたりな喪中はがきに変化を

私たちは毎年、年賀状を印刷方法や表現を試す機会として作っているのですが、昨年は身内に不幸があったため喪中はがきになりました。

喪中はがきのデザインって年賀状以上に形式化されていますよね。もちろん「喪中」なので奇をてらった方向性や派手な表現は控えるべきですが、それでも何か「気持ち」を表現したお便りができないかという思いがありました。

布を貼りつけたカード


私たちらしく「変化」を与えて、かつ喪中としての目的を見失わないことー。

というコンセプトで選んだのが、厚紙に布を貼った特殊なカードでした。高級書や美術書の表紙装丁で見かけるような布貼りの紙、というとイメージしやすいでしょうか。

このカード、色はホワイト、レッド、ブラック、ライトブラウン、ライトブルーの5色があり、今回は落ち着いた印象のライトブラウンを選びました。布自体は少し荒目でざっくりとした織りで、厚みはなんと約1mm!持った感じは固く存在感があるのですが、その厚みゆえデメリットもありました。

一つは重さ。郵便はがき規定の重量を超えていました。定形外郵便扱いになるので、1通送るのに82円(62円+20円)もかかります。高いですね〜 笑
もう一つは、反りやすいこと。他素材同士を貼りつけたからだと思うのですが、一方向に反りやすいです。印刷直後は真っ直ぐでしたが、時間が経つと画像のように少し反りました。我が家は加湿しているのでなおさら反りやすかったのかもしれません。

デザインはシンプルに

今回はカードに強烈な存在感があるのでレイアウトは簡潔、色は質素にしました。生前、鉄道関係に勤めていた故人の道のりをイメージし線路のイラストを挿絵に入れたシンプルな構成です。

印刷方法は活版印刷

活版印刷はハンコのように版を紙にぐっと押しつけて印刷する昔ながらの印刷方法です。ハンコを強く押しつけると紙に跡がつきますよね。それと同じで強く押しつけるとインキがのった部分にうっすらへこみができるのです。紙がへこむ時にインキが外に追いやられるため、細かい文字や図形は潰れたりにじんだりすることも…。今回、一番小さな住所の文字はちょっと危うかったです。

へこみやつぶれ、にじみが発生し精細な表現ができない活版印刷。最新のプリンターと比較すると技術的には劣ってばかりですが、私はこの活版印刷の不完全さや手でふれた時のデコボコした触感がとても好きです。

制作を終えて

喪中はがきに紙以外の素材を使うのは不安があったのですが、結果的にいいものに仕上がったかなと思います。「ぬくもり」「懐かしさ」「思い出」といった目に見えない内面的なものは、普通の紙と印刷だけで表現するのは大変です。その反面今回のはがきは立体的な質感があるので、目で見て、ふれて、光にかざすことで、受け取った人は心に何かしらの「思い」を抱くのではないでしょうか。

昨今印刷物は減って電子媒体が当たり前になっていますが、そんな時代だからこそ手に取れるものに付加価値と可能性を感じます。特殊な印刷は費用もかかるので頻繁にはできないですが、ここぞという時にまたぜひ試してみたいですね。